2010年01月14日

【いきもの秒写】アムールトラ 大阪市・天王寺動物園(産経新聞)

 ■繁殖期待…目覚めよ本能

 人だかりから声が聞こえる。男性は力強さに、女性は毛皮の美しさや気高さに、感嘆の声を漏らさずにはいられないようだ。

 年明けの大阪市立の天王寺動物園(大阪市天王寺区)では毎年、干支の動物が人気を集める。今年はトラ。アムールトラの獣舎前は大勢の人でにぎわっている。

 現在、飼育されているのは、メスのアヤコ(12歳)とオスのセンイチ(6歳)の2頭。アヤコは同園生まれ。センイチは多摩動物公園(東京都日野市)で生まれた。

 センイチの名前は、当時の阪神タイガース監督、星野仙一氏にあやかったという。生まれて約半年後、天王寺動物園に“婿入り”した。阪神タイガースが18年ぶりのリーグ優勝を決めた年だった。

 野生のアムールトラは極東ロシアと中国北東部の国境となるアムール川周辺に生息している。ネコ科では最大で、オスでは体重が300kgを超えることもあるという。

 美しい模様は、森でシカなどの獲物に悟られずに待ち伏せするため。茂みに溶け込んでみえるという。しかし、森は伐採され縮小。密猟などの影響もあり、野生の個体数は350から400頭とされ、絶滅が危惧(きぐ)されている。

 種の保存のために動物園が果たす役割は大きい。日本国内の動物園で飼育されているアムールトラは計約60頭。国内外合わせた飼育頭数は460頭以上と報告され、今や野生種の数を超えている。

 血統が近い例を除いて、飼育されるペアのほとんどが、繁殖を期待されている。センイチとアヤコのペアも同様だ。

 が、センイチは少し頼りない。最近の流行語で言えば、草食系男子風。“姐さん女房”のアヤコに対して、体は二回りほども大きくなったというのに、遠慮気味で及び腰なのだ。

 一昨年11月、アヤコの両前脚の上腕部につめ痕が見つかった。飼育担当の中山宏幸さん(35)は「いよいよか」と期待した。交尾の際にできる傷に似ていたからだ。しかし、喜びもつかの間。単にじゃれ合った際にできたものとわかり肩を落としたという。

 真冬の今がラブシーズン。うまくいけば春には赤ちゃんが誕生する。1度に2、3頭の子供を産むアムールトラ。にぎやかに家族が増えることが飼育担当者らの夢だ。

 センイチの本能が目覚め、雄々しく変貌(へんぼう)しますように。「頼むぞ。がんばれ」。中山さんの言葉に力がこもった。(「秒写」取材班)

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織田作之助賞に中丸美繪さん(産経新聞)

 第26回織田作之助賞(大阪文学振興会など主催)の大賞に、中丸美繪さん(54)の「オーケストラ、それは我なり−朝比奈隆 四つの試練」(文藝春秋)が選ばれた。賞金は100万円。

 青春賞には島谷明さん(24)の「マニシェの林檎」、同賞佳作には木田肇さん(24)の「換気扇」にそれぞれ決まった。

 授賞式は2月23日、大阪市中央区の綿業会館で行われる。

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